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アンカー 1

GCC コードネーム DOG

ガキの頃から夢も未来なんてなかった
スラムで生まれ母は粗悪な薬で狂ってしまった売女で父はその母を孕ませて消えてった、穢れた思想の民と肥えた貴族、人を蹴落とすぐらいしか脳のない貧民達…クズ達しかいない
俺の世界は汚くて穢れていてそして醜かった。
だがそれでも俺は生きると決めた
俺の生きる希望は妹だ
この暗く濁った愚鈍な世界を照らしてくれる光、
「お兄ちゃん私大きくなったらここの人たちを笑顔にできるヒーローになりたいな!お兄ちゃんも救ってあげる!」
妹の夢
愛おしく、無垢で…そしてそれが俺には少し眩しかった。
妹には俺の世界を見て欲しくなかった…すぐ価値のない人間で溢れ、このゴミの街でも綺麗に見て欲しくて、夢を見続けて欲しかった、だがそれには金が必要だ、この世界はこんな紙切れで人の命が決まる、この街では人の命なんてこの紙切れより価値がなく
ゴミも同然だ
金を持った貴族と搾取され続けられる貧民
鶏から生まれたヒヨコは鷹にはなれない
終いには鷹に翼を千切られ飛べなくなった未熟児の鶏とでもいうべきか
だがそれは、抗えぬ運命でありそれは必然であり一択式の選択肢のない問題だ
飛べない鳥は地を這うように汚く生きるしかない
盗みもした、詐欺もした、出来ることならなんでもした…
ただ妹に普通に生きて欲しくて、ただ金が必要だった
ある日、貴族が家にやってきた。
何故こんな所に貴族が?と思ったが目当ては妹だった、貴族は言う「坊や、君の妹さんは実に素晴らしい!是非私のところでメイドとして働いてもらいたいんだが…勿論!衣食住提供しますしお金も心配ないですよ!」
紳士そうな貴族が高々と発言する
俺は少し迷った、この貴族を疑ってないと言ったら嘘ではないが他の貴族とは違い優しそうな人だから…ただ妹を失うのが嫌だった、けどこれから俺が養えるわけでもない俺がいくら働いたところでこの貴族に足も共にも靴底にも及ばない
俺と居るよりもこの紳士といた方が妹にとってもいいだろう。
貴族に雇われた妹と別れを告げる
「泣くな、この人はとてもいい人だから大丈夫、お兄ちゃんと離れても元気にするんだぞ何かあったらいつでも帰ってきていいからな」
いつか別れが来るとわかってた
いつか離れ離れになってしまうとわかってた
けどこれから妹が幸せになる結末でよかったと思ったと
行きつけの店主に伝える
店主がこう言う「あんちゃん…ちと不味いな…今すぐ妹ちゃんを引き戻した方がいい」
俺は何故と言う
「その貴族は、とんでもないサイコ野郎さ、そうやって街の娘を迎え入れては拷問をして犯し、挙げ句の果てには広場に投げ捨てて街の男たちの慰め者にしちまうn」
俺は急いで店を出た金も払わず一目さんに街へでる今からでも遅くないきっと、まだ間に合う、そう自分に言い聞かせて、きっとなんとかなると
思っていた。
群がる男
悲鳴
怒号
そこにはボロ雑巾のように横たわる妹がいた
嬲られ犯され
俺の天使だったものが  いた。
宝石の様な輝いていた瞳は、光の届かない洞窟の様でシルクの様な肌と髪は、男のそれで汚れて拷問の後で生傷が絶えなかった
急な吐き気と苦しみ 息を吸うことすらできなかった
絶望と苦しみ、この世の負の感情が一気に流れ込む
愉快な笑い声が聞こえる
「いやぁ…本当に…ホントに素晴らしい妹さんでしたよ?特に最後なんてお兄ちゃん…お兄ちゃんってwそれしか言わなくなりましたよwwまぁそれしか言わないんで喉潰しましたけど…最後まで貴方が来ると思っていましたよwwまぁ今来ても遅いですけどねww」
殺意よりも早く怒りよりも早く手を動かさせる
'こいつだけはこの手で殺さないと'
手は貴族の顔の前で止まる
使い達に取り押さえられる
「お〜危ないですねぇ危ない危ない」
ザシュ
血が周りを赤く染める
「ッ!」
使いが俺にナイフを刺すが
俺を庇って妹にナイフが刺さる
潰れた声で妹は言う
「イ…キテ……ワ、タシ…ノ…ブンマデ…」
掴まれた腕を引きちぎってでもその首を掻き切らないと
手が千切れても歯で噛み切らないと
だが体が動かない、殺意と怒りだけが俺の体を蠢く
「んもぉ余り無茶しちぁダメだよw君もこれからこの妹さんと同じになるんだから!兄弟愛だねぇ、お前ら庶民は私達貴族の養分でしかないんだよ!いやぁ最後まで奪った絶望の顔は最高だなぁ!」
俺から何故奪うこれ以上何を奪う
人間の欲望に底はない、深淵だ
0から下はなくても0より上は無限にある
神様 僕たちは 何かしたでしょうか
悪いことをしたのでしょうか
ただ普通に生きたいだけなのに
暮らしたいだけなのに

体の感覚がない

あれからどれほど時間がたった

これで終わりなのか…

この絶望が終わるなら早く

終わらせてくれ

???「いやぁ○○○○ー○さん、いい取引ができて光栄ですよ。なんたって我が社G.C.C.か.ら!…おや?この倒れている子は?え?!殺しちゃうんですか??恐ろしい....なら私が貰ってもいいですか?え?別にそう言う趣味はないですよ〜唯の医療業の発展のために.......」

意識が 消え…



眩しい…金…?俺は死んで…ここは天国…

???「やぁ!目が覚めちまったかぁ〜この俺、様、の輝きで!単刀直入に言うけど君、我が社の社員にならないかね?勿論!衣食住提供しますし お金もたーくさん…なんたって我が社GCCは世界一ィィイ!!あ、拒否したら君,体的に死んじゃうから。どうするかね?」
衣食住提供にお金か…どっかで聞いたな…
断ったら死か…どうせ俺にはもう生きる希望なんてないがな
何も兄らしいことも美味しいものも綺麗なことも見せてやれなかったな、
兄…失格だな
「俺にはもう、生きる意味なんてな」
???「本当に?救える命は救っとかないと〜」
俺に救うほどの価値なんて…
救う


<お兄ちゃんも救ってあげる!>

<お兄ちゃん私大きくなったらここの人たちを笑顔にできるヒーローになりたいな!お兄ちゃんも救ってあげる!>


「もし、俺を救えるなら…こんな犠牲を出さないほどに強くできるか…子供ぽく言うなら…ヒーローにできるか?」
???「勿論…GCC社の化学は世界一ィィイ!だからね♪」
「それじゃ、頼む、俺を強くしてくれ」
???「じぁあ、強化人間プランと〜兵器プランかなぁ〜?」
「あと一つ質問、報酬は金以外に出来るか?」
???「まぁ出来るけど?金以外に欲しいものってあるかね??」
「情報、奴の。俺と妹をこんな風にした奴の居場所と情報を全て…寄越してくれ」
???「え〜結構な取引先だしなぁ〜どうしよっかなぁ、俺様の所で一生働くなら考えても?てかヒーローって言ってるのにそんなことしていいのかな〜?」
「…いやヒーローはもう居るんだ…」
「人に笑顔をくれるヒーローは…俺は、悪人に恐怖を届ける死神が十分だ。契約成立だ、社長」
社長「じゃぁ君はもう我が社の"犬"だ、ようこそG.C.C.へ、新人くん…いや、新犬くんかな?」

全てを奪った後の顔が最高だって言ったよな…
今度見に行くから待っててくれよ?

"今度は俺が全てを奪う番だ"

 

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