"ロシア西部の落ちぶれた財閥の一人息子として生まれた

イリヤ・アルトゥーロヴィッチ・パトルシェフは、かつて機械戦争において

ロシアの勝利に一躍貢献した軍需企業の社長の曾孫でもあった。

曾祖父がG.A.C.との付き合いがあったのもあり、現社長の父の会社が

倒産しかけた際、社長の好意で買収されることによって存続し、

それをきっかけに将来的にG.C.C.の会社に就職するように父から指導を受けることになる。

幼い頃から『数を合わせること』に異常な執着を持っていたイリヤは、

数学において小中高と優れた成績を収め、飛び級で大学に進学した。

親のコネで入学したと揶揄されることもあったが、実力で他者を黙らせ、

G.C.C.大学を主席で合格し、そのまま本社で出世街道を歩むようになる。

G.C.C.の銀行員として働いていた彼は1年目から功績を伸ばしていく成果を見せていった。

"数を合わせること"という異常な執着による帳尻合わせや、"立場問わず物事を言える"精神性、そして"仕事に対する誠実さ"が評価され、

ジョージ・ウォッカの後継者をさがしていた人事部が入社5年目で26歳のイリヤ

を推薦し社長に打診したことにより金融部門幹部の座を継ぐようになった。

厳格かつ完璧主義者である彼は、その表情も相まって「鉄仮面」として社員から恐れられつつも絶大な信頼が置かれている。