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アンカー 1

​モノクロの世界

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期待は常に失望を二乗する、だから私は希望を持たずモノクロの世界の中で生きてきた
孤独は嫌いじゃない、誰にも邪魔されず自由を謳歌できるから
世界が変わるきっかけは、きっとなんでもない日に突然やってくるのだと思う
全身を黄金で纏い、絢爛が服を着て歩いているような男
その男は自らを【社長】と名乗った
年齢不問、経験不問、経歴不問
胡散臭い社長が夜な夜な暗躍する会社、その名を【G.C.C.】という
…らしい
この世界で金は力であり権力の象徴だった
彼女もまた世の理には抗えず、人の道を外れることも厭わず
金になることなら何でもやった
私には金が必要だった
「一つ、真理を教えましょー、いい男にはいい女が寄ってくるのサ!これも一つの縁、一つ"鑑定"させてはくれないかナ?」
「キミには自身が泥中の宝石のような、何人にも汚されない煌きを放っているのが見えないのかネ???」
「ワタシは煌いているものが好きだ、こんな掃き溜めに甘んじているのが非常に、ヒジョーに惜しい!」
「一人でいる自由より我々といる充足を約束しようじゃーないカ!」
「丁度ワタシのサポートをしてくれる秘書が欲しいと思っていたんだよネ」
「面接は合格!G.C.C.へよぉ~こそ!我が社はキミを全力で歓迎するぞォ」

G.C.C.に所属し程なく、あなたに秘書は必要ないと観取した
仮に私がいなくても会社は歩みを止めず、あなたは相変わらず各地を飛び回るでしょう、今までそうであったように
それでもあなたは私を必要と、側にいて欲しいと、煌いていると言ってくれた
誰かに必要とされることが、私の乾いた心を瞬時に満たしてくれることをあなたは教えてくれた

これはきっと信頼でなく依存
私の想いは受け入れられなくとも私の世界に彩りを与えてくれたあなたに私の生涯を捧げます

あなたに【削除済み】と呼ばれて以来、わたしの命はあなたを守るためにあります。あなたが生てくれるなら、それが、わたしの生きた証になります

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